
一戸建てを手に入れる目的が当初とすり替わっていませんか?トリプルガラスとペアガラスどっちがいいの?
諏訪地域、松本地域、伊那地域の工務店の池原です
エコ住宅のサッシは3重(トリプルガラス)ですか?
エコ住宅について、お客様からこんな質問をいただきました。
「サッシは3重(トリプルガラス)ですか?」
「いえ、2重(ペアガラス)です」とお答えすると、続けて「トリプルガラスの方がいいと思っているんですが…」とおっしゃいます。
理由をお聞きすると、「他のメーカーさんがトリプルガラスを推しているようなので…」とのことでした。「暖かいと思うからです」とお客様がおっしゃいました。
トリプルガラスが適しているのはこんな家!
ほー、確かにトリプルガラスは暖かいかもしれませんが、私は「コストアップするほどのメリットがあるのでしょうか?」と考えます。
例えば、標高が1400mやそれ以上であれば、もちろんトリプルガラスが適していると思います。
ただ、今回見学会を開催したエコ住宅のお宅は、標高1100mほどの場所にあります。
(ちなみに、標高1400mの別荘を手掛けたこともありますが、そこはストーブを焚いている状態でとても暖かく感じました。)
建築する場所が、ここより標高が下であれば「ペアガラスで十分ではないか」とアドバスをさせて頂きました。
ハウスメーカーや工務店が「うちはこんなに良い部分があります」と特徴をアピールするのは当然です。
私も「どうだ、ここまでやっているぞ」とアピールしたい気持ちはあります。
でも、これで十分だと思うんです。
上を見たらきりがありません。
ガラスを3枚(トリプルガラス)にするなら、「じゃあ外壁の断熱材ももっと厚くするべきじゃないか」と思うんです。
一つの特徴だけをあたかも「これが一番良い」「こうした方が絶対に良い」と言うのは、あまり好きではありません。
言うなら、「外気温が同じ条件で、ペアガラスの室内は何度、トリプルガラスの室内は何度」というように、具体的な数字で説明してほしいと感じます。
ホームリサーチさんの「Air断」の動画をご覧ください!
例えば、ホームリサーチさんの「Air断」の動画を見ると、「なるほど」と思える説明がされていて、納得感があります。
結局のところ、正解は一つではありません。
何を信じ、どこに重きを置くかは、個人の価値観次第だと思います。
Air断さんの動画には、樹脂サッシとアルミサッシの種類によって暖かさに違いはないという内容のものがありますが、そこには私は賛同できません。
同様に、同じ家でペアガラスをトリプルガラスに変えた場合のUa値を弊社で計算してみたところ、改善されたUa値はたったの0.02でした。たった0.02ですよ。
トリプルガラス、アルゴンガス:0.43
トリプルガラス、クリプトンガス:0.41「ホームリサーチさん Air断の 動画」で 実験をしています
(上記参考動画:ホームリサーチさんのYoutube)
一戸建てを手に入れる目的がすり替わっていませんか?
つまり、何を信じて、何に重きを置くかということです。
一戸建てを手に入れる目的は、「快適な暮らしを手に入れたい」というだけではないのではないでしょうか。
いつしか、「どうせ高額で一生ローンを組むなら、より良いものを選びたい」「失敗したくない」と考えるようになっていませんか?
そもそもですが、家を建ててどうしたいのか、そこをしっかり考えてほしいのです。
ローンに苦しみ、行きたい場所にも行けず、子どもたちにやりたいことをさせられず、進学を諦めさせる……そんな我慢を本当にしていいのか、と私は思います。
ただし、トリプルガラスにするなら、いっそ断熱材も強化して「無暖房で暮らせる家」にするくらいの覚悟を持つべきです。
その結果、光熱費分を丸ごと住宅ローンの返済に回せるのであれば、大いに賛成です。
でも、中途半端な言葉に踊らされないでほしい、と心から願います。