今の材木事情はどうなっているのか?「ウッドショック」の次は「材木メーカー最大手の工場火災」発生
🏘諏訪地域、松本地域、伊那地域の工務店の池原です 😀
円安、長期金利上昇と、あらら……なんだか全てが不利に感じますね。
円安は輸出関連の方々にとっては追い風で、ウハウハな状況でしょう。
思い返せば、30年前の円高時代が懐かしいです。
当時は「円高、円高」と騒がれ、逆輸入がブームになった時代でした。
国内の大手企業はもちろん、中小企業もこぞって海外に生産拠点を作り始めました。
特に、東南アジアでは物価が安く、低賃金の労働力を背景に、海外生産がコストメリットを生む時代だったのです。
建築業界も同じです。
かつては海外から輸入した方が資材を安く入手できたため、海外の材木が流通するようになりました。
これが国内の材木が主流だった時代から、一気に海外材が主流へと変わり、国内の林業は急速に衰退してしまったのです。
そして、その影響が1年前の「ウッドショック」の際に跳ね返ってきましたね。
今の材木事情はどうなっているのか?
では、今の材木事情はどうなっているのでしょうか。
ウッドショックによる価格高騰のピークは過ぎ、価格は下落し始めています。しかし、「ウッドショック前の価格には戻らない」と誰もが口を揃えます。私もその意見に同感です。
さらに、価格が落ち着き始めたタイミングで、8月には材木メーカー最大手の工場が全焼するという出来事がありました。
NHKニュース記事より
26日午前8時前、神栖市東深芝にある「中国木材鹿島工場」で従業員から「機械から出火している」と消防に通報がありました。
警察と消防によりますと、消防車など10台が出て消火活動にあたっていて、火の勢いは徐々に弱まっているものの、大量の木材が燃えていることもあって、出火から丸一日以上たった27日午前11時現在も鎮火していないということです。
これまでにけが人などの情報はなく、周囲に燃え広がる恐れもないということです。
現場周辺では、午前11時ごろ建物から白い煙が立ち上っていて、消防の車両が放水作業を続けていました。
建物は黒くこげたり焼け落ちたりしていて、ものが焦げたようなにおいがしていました。
現場は鹿島港周辺の工場が建ち並ぶ地域で、会社のホームページによりますと、この工場では木材の製材や乾燥加工などを行っているということです。
材木メーカー最大手の工場の火事により出荷制限がかかり始めています
その影響が先月から徐々に出始めており、出荷制限がかかり始めています。
先日も、弊社の取引先と調整の話をしてきました。
年内分の材木については、確保していただくことで確約を得ましたが、年明け以降は一部の材料を無垢材から集成材に変更して対応する予定です。
材種についてはあまり関心がない方も多いかもしれませんが、集成材とは、スライスした木材を貼り合わせて角材にしたものを指します。
「これ、大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。
実は、価格面でも集成材の方が無垢材より高値であることが多いのです。
「高い」ということは、簡単に言えば「良いもの」ということです。
もちろん、無垢材にこだわる方もいらっしゃいますが、どちらも良いものですし、頑丈であることに変わりありません。
そこは、あとは「こだわり」の違いだけかもしれませんね。
ところで、工場が火事になり、出荷制限がかかっているということは……そう、品薄になりますよね。
となると、当然ながら値上げが予想されますよね。
日刊木材新聞社 より
中国木材(広島県呉市)は、11月1日の納品分から米松製品(KDグリン材)の3,000~5,000円(立方メートル)の値上げを実施する。