諏訪・松本の工務店の社長ブログ|家族物語843

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自分が本物を知らなければ提案できない。伊礼智先生の住宅に触れて確信したこと

諏訪地域、松本地域、伊那地域の工務店の池原です

 

伊礼智先生と、そのお弟子さんである本田先生が設計された家を見てきました。

その空間に身を置いて改めて確信したのは、
「いい家は決して飽きない」ということ。
それは、表面的な目新しさばかりを追う最近の住宅デザインに対して、
静かに、けれど強く一石を投じるような佇まいでした。

建築も、スポーツのイメージトレーニングと同じだと思うんです。
目で見て、肌で感じる。自ら本物に触れて五感を鍛え上げるからこそ、
人の心を打つ「いい家」が作れるし、設計ができるのだと私は信じています。

今も昔も、多くのハウスメーカーや工務店が作る家は、
お客様の要望をただパズルのようにはめ込んだだけの「間取り」になりがちです。
もちろん、住まい手の方の希望を無視していいわけがありません。それは大前提です。

ただ、真上から見た平面図でどれだけ良い感じに見えても、
いざ立体になったときの「細部」に何も工夫が施されていない家が、あまりにも多い気がするんです。

たとえば、窓。 部屋に窓があるのは当たり前ですが、
「なぜそこにその窓を設けるのか」。そこからどんな景色が見えるのか、
逆に外から見たときにはどう映るのか。 廊下の広さや動線一つとっても、
ただ使いやすいだけでなく、家に居て「ワクワクするかどうか」という視点から考え抜かれているか。

天井や床の高さ、ドアの形状、窓際のカーテンやブラインドの美しい納まり。
そうした一つひとつの細部と、天井・壁・床という連続した部分が組み合わさることで、
人の目に飛び込んでくる「情景」は劇的に変わります。

さらに言えば、家という「箱」が、ただ道路や隣地に対してポンと建っているだけになっていないでしょうか。
果たして、その敷地に対して車の駐車位置は本当にそこがベストなのか。
玄関までのアプローチはどうあるべきか。家と外構、そして庭は、
セットで考え、提案してこそ本当の住まいになります。

だからこそ、設計者である私たちが、自らの足でいい家を見に行き、
学び、吸収しなければならないんです。

自分が「本物」の凄みに打ちのめされた経験もないのに、
お客様に向かって「これがいい家です」なんて語るのは、プロとしてあまりにも傲慢だと私は思います。

写真や映像を眺めるだけでは絶対にダメなんです。
それでは、ただの薄っぺらい模写で終わってしまいます。

実際にその場に立ち、触れて、空気を感じる。
「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」。 すべての五感を通して、
脳にその空間の記憶を伝達し、刻み込む。
その経験の蓄積こそが、本当にいい家をつくる何よりの原動力になるんです。

 

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