ダウンライトの使用を止めます|ダウンライトのメリット・デメリットをまとめてみた
諏訪地域、松本地域、伊那地域の工務店の池原です
気密断熱工事は、慎重かつ確実な施工が求められます。
気密を保つためには、漏気を防ぐことが重要です。
そして漏気を防ぐには、開口部と呼ばれる箇所を徹底的に処置する必要があります。
外部に面している壁や天井にはビニールシートを使用し、空気の流れを遮断します。しかし、気密性を確保する上で見逃せないのが「開口部」です。
開口部といえば、一般的に窓やコンセントを思い浮かべる方が多いですが、意外と知られていないポイントが「照明」、特にダウンライトなどの埋め込み型照明です。
埋め込み型照明の周囲も漏気の原因になりやすいため、しっかりとした処置が求められます。
ダウンライトって何?メリットは?
ダウンライトとは、天井に埋め込まれた照明器具のことです。天井に穴を開けて取り付けるため、設置時には注意が必要です。
見た目が「かっこいい」というよりは、デザイン性としては控えめですが、天井面がすっきりと見えることが最大の特徴と言えます。シンプルで洗練された空間を演出するために選ばれることが多い照明器具です。
天井に穴を開けるとこういう状態になる!
天井に穴を開けるということは、せっかく気密を確保するためのバリアシートに穴を開けることになります。
そのため、開けた箇所にはしっかりとテーピングを施し、開口部を遮断する対策が必要です。ただし、この遮断が100%完璧かというと、実際にはおそらく95%程度の遮断にとどまるのではないかと考えられます。
完全な気密性を保つのは難しいですが、丁寧な処置を施すことで、気密性能を高いレベルで維持することが重要です。
さらに、ダウンライトの気密を確保するためには、箱型のカバーを設置しなくてはなりません。このカバーはベニア板を利用して作成しますが、作業には手間がかかります。
例えば、30坪クラスの家の場合、ダウンライトの設置箇所が20箇所を超えることもあります。そのため、20個以上の箱を作る必要があり、手間と時間が大幅にかかります。
こうした手間をかけた上でも、気密性が完全に保てるわけではなく、一定のリスクが残るのが現実です。それでも、この作業を行うことで得られる価値は何だろうか――と改めて考えさせられます。
年末以降の着工物件からダウンライトの使用を取りやめます
ということで、完全に100%の気密性を保つことが難しいのであれば、そもそも開口部を作らなければ良い、つまりダウンライトを使用しないという選択肢にたどり着きました。
その結果、エルハウスでは年末以降の着工物件からダウンライトの使用を取りやめることにしました。
ご検討中のお客様には、こうした方針をご承知いただければと思います。これも気密性や住宅の性能向上を最優先に考えた決定ですので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。