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エコ住宅の開発秘話 その3

諏訪地域、松本地域、伊那地域の工務店の池原です

どんな住宅でもあっても暖房は何を使うおか?と迷うものです。とかく、ランニングコストを考えたと時と、また、確実に暖かさを求めた時には迷うものです。
エコ住宅の開発秘話、最終回です。

私達の、エコ住宅は エアコン一台で温かいというフレーズに決め、エアコンを選定しました。

10年前、東日本大震災前には、全館暖房、居室はもちろん、非居室にも暖房を設置した全館暖房を採用することが
多くありました。 灯油式ボイラーで温水を沸かしパネルにお湯を送り込み、輻射熱の優しい温かさが家中どこにいても感じられる システムをお勧めしていました。 これは、間違いなく実績があり温かい、という自身がありました。 実績のある暖房は エコ住宅には欠かせない 暖かさ という目的を確実に達成できますが、最大のデメリットは ランニングコスト、と システムを導入する費用です。また、省エネ基準の一部となる一次省エネルギー消費量の計算をしたときには、不利な数値になることは明確です。
簡単に説明をしますが、1のエネルギー(電気、灯油、ガスなど)で 1の力を出すものを基準としたときに、
1のエネルギーで 2の力を出せる機器が優れていて、逆に1のエネルギーで、0.5の力しか出せない機器が劣っているということです。

一次エネルギー消費量の計算結果は、エネルギーの単位であるGJ(ギガジュール)やMJ(メガジュール)で表されます。 G(ギガ)は単位の前に付けられる記号で10の9乗、M(メガ)は10の6乗ですので、両単位は1000倍の関係となります。これらはパソコンやスマホの容量を表すときにも使われていますので、ご存知だと思います。
J(ジュール)は熱量の単位です。Jを仮にわかりやすい電力量kWhで置き換えると以下の通りとなりますので参考にしてください。1kWh = 3.6MJ = 0.0036GJ  277.8kWh = 1000MJ = 1GJ

一次エネルギー消費量

  • 電気(kWh):1kWh=3.6MJ → 10MJ
  • 都市ガス(㎥):1㎥=46MJ → 46MJ
  • プロパンガス(㎥):1㎥=104MJ → 104MJ
  • 灯油(L):1L=37MJ → 37MJ

以上の熱量から 電気が一番優れていることも分かりました。 一次エネルギー消費量で、電気は発電ロス、送電ロスを考慮して2.7倍以上もかかるのですが、エアコン、温水機など、ヒートポンプを活用すると、逆転現象が起きます
秘密は COP  ヒートポンプを利用すると、使ったエネルギー以上の熱エネルギーを得ることができるため、大切なエネルギーを有効に使えます。CO2排出量も大幅に削減できるから、地球環境保全にも貢献します。
最新のヒートポンプエアコンは1の投入エネルギーで6の熱エネルギーを得ることができます。これをCOP6.0と表わします。高効率なので電気の消費量は1/6。として計算ができます

以上の理由から、暖房の機器は ヒートポンプを併用しているのが最もランニングコストを抑えることができることが判りました。灯油式のパネルヒーターでもなく、電気ストーブでもなく、一時は深夜電力で電気代を抑えて優れた暖房能力が保てる蓄熱式暖房も、エネルギー計算からは不利に働き、 エコ住宅への暖房器具は エアコンという
結論に達しました。

次にエアコンを どう使うか、どこに設置しようかという課題に取り組みました。パッシブハウスの文献は、どこも
床下にエアコンを入れるという事例が沢山あ利ました。そうか? 床下であれば足元が確実に暖かくなるのは、判りますが、15坪ほどある床下全体に エアコンの温風が行き届くの?と疑問が生じました。床下は構造からコンクリートの壁面が随所にあり、温風自体が次の区画に到達するとは到底思えないからです。また、区画の中で室内床面に
温風を送る通気口を設けるためそこからの温風のロスもあるのでは?とも考えました。

効率的に隅々まで温風を送るためには、途中にファンを設置、床下に入れたエアコンの対角線に温風を引き寄せる
吸気ファンなどが必要ではないか?これらを設置した場合、仮に上手くいったとしても機器メンテナンス問題
器機のコストなどから、どうしても有効な手段だとは思えなかったのです。

確かに、うまく作動すれば、また、うまく利用されている実例も目にしましたが、エアコンを床下に入れたとき、
エアコン自体のメンテナンスが面倒、そして、エアコンメーカーが床下にエアコンを設置した場合は、メーカー保証外ということを明確に出されています。
このことから、エアコンを壁掛けが一番ではと考え、足元を暖かく保つには、基礎断熱工法を採用することで
床下の温度を一定に保つことができ、床に床下との通気口を開けておくことで 室内と床下の空気が行き来することで、室内との温度差が少なくなるという仮説を立てて、壁掛けのエアコンを選定しました。
実際に、建築したお宅で 床の表面温度が、21度 床下のコンクリートの表面温度が 16度ということを
確認しています

家っていうのは、メンテナンスフリーというわけにはいきません。長期に住むあいだには、器機の故障もあります。
メンテナンスのことも考える必要もあると思い、今回選定をした壁掛けエアコンのことだけではなく、
24時間の換気システムも、ダクト式の第一種換気システムを組むよりは、単純な仕掛けの第三種換気の方が、メンテナンスが安易ということから、標準では第三種換気を採用。 冷気、熱のロスを気にされる方には、第一種環境も
選択できるようにしようと決めました。

追記
エコ住宅、他社のエコ住宅、エコハウスなどと比べて もっとも優れている性能を持っている家ではありません。
それは、断熱材の厚みにしても サッシのガラスの枚数にしても、他社の家より劣ってはいます。
ですが、全てが優れている家は魅力ではありますが、そこにかけた家の予算は果たして魅力なのでしょうか。
そこそこの温かさと、そこそこのランニングコストで そして少ない予算で建築されたことが、総合的に
一番、快適に暮らせることができる家ではないでしょうか

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