諏訪地域、松本地域、伊那地域の工務店の池原です

家づくり、本当に深いなあ、と実感しました。特に今回感じたことは間取りなのですが、お客さまと間取りの打ち合わせをしていく過程での話です。

予算からの家全体の面積を減らすことを検討して、初回のプランから変更を繰り返してきました。現代の家の特徴は、窓の形状、大きさ、位置に象徴されています。
使い勝手と、明るさ重視のよい　４枚ガラス障子の掃き出しの家はほとんどみません。理由として、大開口になることから壁が少なくなることから、構造的に弱くなるというのが主な理由です。もう一つは、ガラス面積が大きいことから、熱が逃げる＝寒くなりがち　という理由です。

掃き出しサッシ以外にも、腰窓も　引き違いという形状（左右どちらのガラス障子も開けられる）も使われることが少なくなっています。　これは、外観からみたときのイメージ、デザインを向上させることが理由です。
よって、滑りだし窓（片開くガラス障子）を多頭します。　また、滑りだし窓も、ワイド（幅）が広いものではなく、縦に長いイメージ（細い）ものを選んで使います。

この滑り出しの窓ですが、特徴とすると　引き違い窓にくらべ気密性が向上でいること、もう１点は、開いた状態で壁に対してガラス障子が９０度になることから、横から（壁に沿う）の風を受けて室内に取り込み易くなることです。欠点は、特に細長い形状ですが、全開に開けたときに、引き違いの窓に比べて　開口の面積が小さいことから通風量が減少することです。ガラス面積も減ることから、室内に差し込む陽射しも減ります。

以上のことから、どちらを優先するのか、機能性なのかデザイン性なのか、それとも明るさ、採風なのか。
建築士としての意見と知恵を出しながら、住み手になられるお客様の意見を聞き取ることが大切なことかと感じます。

そのほか、もしも？という家の中で火災が起きた時に、どのように避難するのか？ということへの考えて行くことも必要なのかととも感じました。　今回の検討の間取り、風呂場、脱衣所、洗面室は、キッチンの脇を通らねば行き来きず、もっともキッチンからの火災の危険性が一番大きいことから、風呂場にいたときにどうやって外へにげるのか？
ということです。　脱衣室に掃き出しのサッシをつけるのは裸の状態を露出させる要因、勝手口をつけるとしたらキッチン。洗面室にはつけても利用価値は避難のときだけ。防犯上、利用頻度からすると問題かと。

そこで、洗面室の床面に沿って（低い位置）に　高さが膝たけくらいの引き違いをつけることにしました。
利点は、外部から膝たけくらいしか見えないこと、天井に近い高い位置より床に（低い）近いことで、窓へ潜りやすく外へ逃げやすい、この窓の上は棚を設置して収納棚にしておく。このようなことで目的を果たせるかと思いました。

「３人よれば文殊の知恵」とはよくいったものです。最初の段階では、快適性という観点と、デザイン性重視という考えかたに偏る、そして、もしもの災害時を想定しての避難することまで考えが及ばない。最後は、どちらも考えての最適な案を探す。　このように、お客さまと私たちの共同作業から、住み手になるお客さまが満足して暮らしていただけるお家になりますね。

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