| 今、家づくりを考えている、一つの家族を紹介しましょう。
私の知り合いに、小野という男性がいます。奥さんと8ヶ月になる男の子の4人でアパートに暮らしています。
彼は、25歳のときに家庭の事情で、突然家を追い出されました。お金も住むところもなく車の中で寝泊りする日々を続けたそうですが、そのうち家族との決別を決意。別の街で小さな古いアパートを借り、たった一人で地を這うような生活をはじめました。
そんな彼にも恋人が出来て、結婚。しかし彼の親戚は誰も出席せず、満足な式を挙げることさえも出来ませんでした。
「どうして俺ばかりがいつもこんな目に……」屈辱感に震え涙を流したといいます。
「いつか豪邸を建ててみんなを見返してやる」彼にこんな気持ちが芽生えたのは、自然の流れかもしれません。
それから、お金を貯める生活がはじまりました。毎日、寝る間を惜しんで夢中になって働きました。身体を壊しかけたこともあったそうです。
やがて彼は事業に成功し、会社を設立。マイホームをキャッシュで買うほどの収入を手に入れることができるようになりました。
しかし、彼がそこで感じたことは…、
「高価な家はいらない。最愛の妻と息子の3人で、幸せに暮らせる空間が欲しい」
これだけでした。
つまり、「家だけを建てても人は幸せにはなれない。家族で住みたいという気持ちこそが幸せの条件」ということを、
私は彼から教わったのです。
「平さん、いつか僕の家を建ててくださいね」
「ああ、いいよ」
私は彼の家庭をつくるお手伝いをしたい。心からそう思いました。 |